ダイビングの世界では、「ナイトロックス」という言葉と「エンリッチド・エア」という言葉が混在して使われています。「果たしてどっちの言葉が正しいんだろう?」と考えたりしますが、この二つは、示している物が多少異なっているだけで、どちらが正しいということではありません。
ナイトロックスという言葉は、「窒素と酸素の混合気体」を指すもので、窒素と酸素の英語「Nitrogen」と「Oxygen」を組み合わせた造語です。 ですから、広い意味でのナイトロックスは、混合比に関係なく窒素と酸素の混合気体全てを指します。
通常の大気は、おおよそ酸素21%、窒素78%、その他のガス1%で構成されています。 レクリエーションダイビングで使用するナイトロックスは、酸素濃度が21%を超え、40%以内のものを使用します。 一方、テクニカルダイビングでは、大深度での酸素中毒を防ぐため、酸素濃度が21%未満のナイトロックスガスも使用します。
どちらも「ナイトロックス」ですが、レクリエーションダイビングで使用する空気より酸素濃度の高いナイトロックスを、「エンリッチド・エア・ナイトロックス(EANx)」と呼んで、大気より酸素濃度の低いナイトロックスと区別しています。